TOKYO nude solo version - IST2010を終えて -

もう7月になってしまいました。時間が経つのが早くてビックリしています。

先日IST2010にて、無事「TOKYO nude solo version」を終えてきました。簡単にライブのまとめを示したいと思います。

2月にCQで演奏した「TOKYO nude」は事前に時間軸を決定してあり、マスター・コンピュータに同期して、残りの3台のコンピュータが走るように設定していました。時間軸が完全に固定/制御されている中で、それぞれのプレーヤーが曲の構成要素であるサウンド・ファイルを加工していく。これにより予め作り上げた構造を前提として、それを破壊していく過程をライブで行おうとしたわけです。4人のプレーヤーがいることにより、時には微細な、時にはカオティックな”破壊”を作り上げることができました。

そして、今回の「TOKYO nude solo version」では、2月のものとは全く違うアプローチをしようと思いました。そこで、今回は前回とは反対に、非常にアナログな”構築”のライブを行うことにしました。
使用した機材は、ラップトップ2台(MacBook ProPowerBook G4)とSherman Filterbank 2。2台のラップトップには「TOKYO nude」で使用したサウンドファイルが60くらい入っています。どちらのラップトップにも同じサウンドファイルが入っていて、MacBook Proはそのまま、PowerBook G4はSherman Filterbank 2を通して出力されています。ライブではこれらを使い、ひたすら即興で時間/構造を作り上げていく。感覚としては演奏というより、作曲です。過去の展開と未来の展開を考慮しながら、機材をいじっていくわけです。そのまま出力していたMacBook Pro側では展開を作り、そこにSherman Filterbank 2を通しているPowerBook G4でアナログな変化を付け足していきました。

結果的には、2月のライブより音が整理されたものになったと感じました。同時に立ち上げたファイル数は最大で12でしたが、一つのまとまった音のように聴こえた印象があります。
全く同じ要素を使って、全く違う思考をすることで、今回と前回、それぞれのライブ/パターンでの面白さを浮かび上がらせることができたのではないかと思っています。年内にもう1、2度「TOKYO nude」ができればと思っていますが、今回を参考にしながら、そのときはまた違った形の「TOKYO nude」を聴かせたいと思います。

最後に余談ですが、机が思っていた以上に低く、会場で用意して頂いた椅子は妙に重く、動き回らなくてはいけないので、仕方なく立て膝!をついてライブをすることに。スクウェア・プッシャーとか思い出しました(笑)