ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」

なかなか更新していなくてすみません。

近況は近いうちにまとめて更新します。簡単に書きますと、20日に漸く一曲(作品の3曲目)仕上がり、21日から4曲目を作り始めていたのですが、どうにもうまくいかない。(またか、という気分ですが)色々実験したり/ボーっと音聴いたりという日々を過ごしていました。で、あっという間に3日間経ってしまい、今日というわけです。

その間、気分転換に久しぶりにドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」を聴いたりしていました。


牧神の午後への前奏曲 指揮:シャルル・ミュンシュ 演奏:ボストン交響楽団
 

2004年に、僕が音楽を担当した金森穣さんの振付け作品「意識の壁」でドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」を使いました。その際折角だからと思い、「牧神の午後〜」のCDを20枚くらい買って研究しました。著名な指揮者とオーケストラのものから、無名のものまで、とにかく色々なパターンの「牧神の午後〜」を聴いてみて、曲の構造/音色/響き/作られた背景をしっかりと意識している演奏を見つけたかったのです。

そして、様々な演奏を聴く中で「これは!」と思ったのが、「シャルル・ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団演奏」のものでした。

ドビュッシーが、ワーグナー音楽を吸収しながらも決別し、新たに作り上げた音色感、ロマン派ではなく印象派と呼ばれる所以である、冷静かつ解放された音楽構造。そういったドビュッシーの音楽をすべて踏まえた上で、ミュンシュはこの「牧神の午後への前奏曲」を作り上げている。
楽器一つ一つの立ち上がるスピードから、オーケストラのダイナミズムまで、決して”ロマンティック”にはならないように、冷静に繊細に指揮しています。

爆音は必要ありませんが、ある程度大きな音量で聴くとそれはまた素晴らしい音楽の体験をさせてくれる演奏です。