ふと思い出してStan Freberg

昨夜遅く、ふと思い出してStan Freberg(以下スタン・フリバーグ)を聴くことにしました。
(丁度先週、爆音映画祭のイベントとして音楽家/音楽評論家の湯浅学さんのトークがあり、そこでもスタン・フリバーグの音源を流していたので、その影響が大きいと思いますが)


スタン・フリバーグhttp://en.wikipedia.org/wiki/Stan_Freberg


スタン・フリバーグは色々な肩書きがありますが、今回は「音の芸人」?「コメディ音楽の達人」?としてのフリバーグについて書いていきます。(天気もいいので肩の力を抜いて)
スタン・フリバーグは、1950年代から色々な音楽を、その音楽の特徴や表現の工夫をパロディ化して発表しました。その中で特に有名なものを2つご紹介します。


エルヴィス・プレスリー「Heartbreak Hotel」のパロディ
元曲 http://www.youtube.com/watch?v=PotB76gi2_4
スタン・フリバーグ版 http://www.youtube.com/watch?v=Az2rHv57zq4
この「Heartbreak Hotel」は1956年RCAから出たエルヴィス・プレスリーの超有名曲です。マイケル・ジャクソンホイットニー・ヒューストンなど多くのミュージシャンがカバーしていますし、プレスリー言えばこの曲とJailhouse Rock(監獄ロック)は誰もが知っていると思います。
で、この元曲、曲全体にディレイ(音を遅らせるエフェクト。作品中ではEcho)が掛かっていて、プレスリーの声や演奏が少しボワーンとしています。スタン・フリバーグはこの「ディレイ」の部分とプレスリーの歌い方を強調して、「Heartbreak Hotel」のパロディー版を作っています。曲(?)の途中にはハワイアン、最後に「Too much echo!!」と言うところもなんともおかしい。


・「Banana Boat Song (Day-O)」のパロディ
元曲 http://www.youtube.com/watch?v=iMTNT_BzkdA
スタン・フリバーグ版 http://www.youtube.com/watch?v=lE809U-P5Zw 
(アニメ付き)http://www.youtube.com/watch?v=8PBO7YE7vjE
こちらもまたすごく有名な「Banana Boat Song」のパロディ。この曲、確か昔、野茂英雄の応援ソングとしても使われていました。
スタン・フリバーグ版では、一番の歌いどころである「Day-O!!」の部分をとり上げています。ボーカルの「Day-O!!」の声がデカいということを問題にして、その部分だけを遠くで歌わせるという皮肉(笑)。最後はドアの向こう側にまで追いやってしまいます。アニメ版だと雰囲気は伝わりやすいですが、音だけで聴いた方がフリバーグの工夫(「Day-O!!」の距離が遠くなっていくことや、ボーカルがあわてて戻って来ることを聴かせる工夫)が分かって面白いです。


どちらも音響的な工夫や特徴の捉え方など、専門的に見てもかなり面白いですが、それよりも聴いてそのおかしさを楽しむ方が好きです。
晴れた土曜日らしいブログになりました。