ものの音、響き

ブログ更新が始めた早々から不定期ですが、ちゃんと続けますのでご安心下さい。


最近、陶器や焼き物の音を色々と調べています。まだ調べはじめですが、叩いたり、擦ったりと陶器からどのような音と響きを得ることができるか実験しています。


18、19歳頃、電子音楽の作曲を本格的に始めたきっかけも音と響きでした。音を作り出し、その響きを変化させていく中で、いつの間にかその「響きの変化」が「音自体の変化」につながることに気付いたこと、この音と響きの関係性についての体験が、自分にとって電子音楽への入口でした。音で響きを作り、その響きが新しい音の可能性を提示する、それはいまも作曲作業において芯に持っている考えの一つです。

昨日、久しぶりに近所の神社に立ち寄り、境内の音に耳を澄ませてみました。風に揺らめく木々の音、鳥の鳴き声、遠くを走る車の音、人の足音。一つ一つの音が自分の耳を中心点として、その距離と方角に基づき音の響きを作り出します。自分の周囲にある何百何千という全ての音が、響きを持って自分の耳に入ってくる。その中には目に見える範囲を超えた、何キロか先で発せられた音もあると思います。
日常のあらゆる場所で聞いている音とその響きには、耳に届き、感知できた全ての音要素が含まれている。そう思うと、そのとてつもない情報量とその地その瞬間でしか得られないという希少性には、ある種の神秘さすら感じてしまうほどです。コンピュータでは決してシミュレートできません。


さて、陶器、焼き物の音。
そこからどのような音が出て、どのように響いていくのか、その音と響きをどう磨いていくのか。未知の領域ですが、試したいことは山のようにあり、その結果からまた新しいアイディアが出てくると思います。
そして、その音と響きがもたらす情報量とその希少性を最大限表出させることができたら、音源である陶器や焼き物が持つ別の側面も提示できるのではないかと、考えています。


メモのようなブログになってしまいましたが、プロジェクトの詳細が決まりましたら、またご紹介します。