殺人の追憶

昨日漸く近所のゲオにて韓国映画殺人の追憶」を借りることができました。見たいと思い早一ヶ月、いつ行ってもレンタル中で、「ひょっとするとDVDが自分から逃げているのではないか」などとアホなことを考えてしまうくらい見ることができずにいました。もちろん、TSUTAYAやゲオの他の店舗にも行きましたが、なぜかそちらでもレンタル中。幸い、他にも見たい映画が沢山ありますので、そちらを見ていたわけです。
そして、先にも延べましたが、昨日漸くレンタルすることができ、帰宅し次第早速見たわけです。



殺人の追憶 監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホキム・サンギョン、パク・ヘイル

一言で言うなら、この映画を見ることができてよかったと思います。

先日見た「チェイサー」と同様、この映画も実際に起きた連続殺人事件(華城連続殺人事件)をもとに作られています。一つの村で起きる連続殺人事件の犯人を追う二人の刑事と、そこに起きるドラマ。重要参考人が出ては消え、出ては消えを繰り返す中で、真相に辿り着けないイライラと無力感が肥大していく。
結局、犯人を捕まえることはできず、物語は”意外な”結末を迎える。

犯人不明のまま終わるサスペンス映画は沢山ありますが、どれもどこか腑に落ちなさ/スッキリしない感覚が残ってしまうものばかりという印象でした。しかし、この「殺人の追憶」は全く違う。事件に翻弄される様々な人々の描き方が秀逸で、事件の真相解明に焦点が合っているものではありませんでした。1980年代の韓国の情勢や、警察/現場付近の人々の動き、繰り返される殺人事件、それらの絡み合いこそがこの映画の醍醐味で、それがこの映画を”単なるサスペンス映画”ではなくしている。重みがあり、激しさも感じる素晴らしい映画でした。